【剧情】希菈(温泉)的回忆
回忆六
アイリス:隣の人、凄腕の料理人さんみたいなんです。それで……
フレイヤ:――なるほど。相手の力量に飲まれているのですね、シエラは。
フレイヤ:優勝賞品は――温泉宿の貸切権。まったく、あの子は……
主人公:
フレイヤ:アイリス。私の声に合わせて口を動かしなさい。
アイリス:え?
シエラ:(時間だけがどんどん過ぎていく……このままじゃ……)
――シエラ。
人垣から響いた声に、シエラはあわてて顔を上げた。
あなたの料理は、育てた野菜を美味しく食べるためのものでしょう?
シエラ:……フレイヤ。
それになにより――あなたが育てたサクランボは、この私さえも虜にしました。
大丈夫。自分の舌を信じなさい。
シエラ:……うん。そうだったね、フレイヤ。
シエラ:――私は、私が美味しいと感じる料理を全力で作ればいい!
ミチカ:今日はありがとうございました。
シエラ:こちらこそありがとう。それと……優勝おめでとう、ミチカ。
フレイヤ:…………
ミチカ:ありがとうございます。シエラさんの腕前も、本当に素晴らしかったです。
シエラ:作り慣れた得意料理だったから。……負けちゃったけどね。
ミチカ:またやりましょう。……あ、決勝と予選で作ったやつ、レシピを教えてくれませんか?
シエラ:お安い御用よ。そのかわり、あなたの方もね♪
シエラ:へ~、やっぱり便利なのね、ルーンコンバインって……
ミチカ:でもシーズン終わりのメンテが本当に大変で……
キャトラ:長いわね、農トーク。
ミチカ:あ、すみません、長々と。私、そろそろ行きますね。
ミチカ:――と、そうだ。これ、受け取ってください。
シエラ:……これ、優勝賞品じゃない。もらえないわ。
ミチカ:私、もうこの島を出るんです。もったいないので、よければもらってください。
キャトラ:そう言ってくれてるし、受け取っておきなさいな。
シエラ:……うん、ありがとう!
シエラ:――代わりにこれ。実家で作ってるサクランボよ。
シエラ:友達の分なんだけど、……少しだけ、おすそ分け。
ミチカ:これはまさか――あの有名な<スキルニシキ>!?しかもこの大きさ……特秀!?
フレイヤ:な……せっかく旅先で買った貴重品を……!
ミチカ:……なんて上品な甘み。農家の愛が伝わってきます。きっと他の野菜や果物も、素晴らしい出来なのでしょうね……
シエラ:もちろん♪いつかまた、ごちそうするわ。
フレイヤ:――やってくれましたね、シエラ。私の<スキルニシキ>を……
シエラ:う、ごめん……でも他にお礼になるものが何もなくて……
フレイヤ:まったく……
シエラ:でも代わりに――じゃん!あなたにプレゼントよ。
フレイヤ:温泉宿の貸切権ですね。
シエラ:……あ、知ってたんだ。せっかくの温泉街だもの。やっぱりフレイヤにも、心から楽しんでほしいから。
シエラ:たまには一緒のお布団に潜って、夜更かしして、お喋りしましょう?
フレイヤ:……私の休息のためなのでは?
シエラ:眠くなるまででいいから。ね?
フレイヤ:……仕方がありません。少しだけ付き合います。
フレイヤ:それと一応、礼を。――ありがとう、シエラ。
シエラ:こちらこそ、いつもありがとう。
シエラ:これからもよろしくね……フレイヤ♪