【劇情】白貓溫泉物語2 – 第二章(日文)
癒やしのサクランボ
シエラ:さあ、着いたわよフレイヤ。
フレイヤ:それには語弊があります。ここまで運んだのは私です。
シエラ:……ねえ、もしかして怒ってる?
フレイヤ:怒ってはいません。あなたと共に旅をするのは楽しいですから。
フレイヤ:ただ……限度というものがあるでしょう。
シエラ:ご、ごめんね。楽しくてつい、あちこち飛び回って……
シエラ:サクランボあげるから、許してくれる?
フレイヤ:冗談ですよ。そもそも、この島を探していたのは私のためなのでしょう?
シエラ:……うん。ファブニールとの戦いで、フレイヤにはずいぶん負擔をかけちゃったから。
シエラ:だからアオイの島の溫泉で、疲れを癒やしてもらおうと……
フレイヤ:溫泉なら私たちの島にもあるというのに……
フレイヤ:しかし、シエラの気持ちは大事にしましょう。
シエラ:……ありがとう。
シエラ:それにしても人が多いわね……
フレイヤ:人間にはあまり関わりたくないのですが……
シエラ:おかしいわね。靜かに過ごせるって聞いてたのに……
フレイヤ:私はそこの岩場にいますから。
シエラ:そんな、待ってフレイ――
観光客A:ねえねえ見た?サクランボの溫泉だって。
観光客B:買い物終わったら、行ってみっか。
フレイヤ:…………
シエラ:フレイヤ?
フレイヤ:サクランボの溫泉。……少し、興味があります。
シエラ:そ、そう。それはよかったわ。
シエラ:それじゃ、その溫泉に入りにいこっか。
フレイヤ:その前にシエラ、あなたの服裝はここでは目立ち過ぎます。
シエラ:目立つって……この服はフレイヤの魔力で作られてるんだけど?
フレイヤ:ですので、作り変えましょう。
シエラ:これは……カタナ?
フレイヤ:この國に合わせてみました。これで多少は目立たないでしょう。
フレイヤ:それに私もこの姿になれば……
フレイヤは己の體を縮小し、シエラの手のひらに乗った。
シエラ:そういえばあなた、體の大きさを変えられるんだったわね。久しぶりに見たわ、それ。
フレイヤ:変える理由がありませんでしたからね。
フレイヤ:では、參りましょう。
…………
……
シエラ:この匂い……本當にサクランボね。
フレイヤ:シエラも湯船に浸かったらどうです。
シエラ:うん。でもその前に、體を流さないと。えっと風呂桶は……
シエラ:あ、あった。なにこれ、可愛いデザインね……
フレイヤ:早く來なさい。
シエラ:おっ待たせ〜。
フレイヤ:飛び込まないでください。……そういうところは、いつまで経っても子供ですね。
シエラ:……泳いでいい?
フレイヤ:ダメです。一緒に入るたびに聞きますね、それ。
シエラ:泳ぐと気持ちいいじゃない。
フレイヤ:あがる時は10數えるのですよ。
シエラ:はーい。