【剧情】GODS of GLORY #11(日)

ハルジオン
じっとしていてね~♡
テネブル
模倣能力起動(エミュレート)。
拒絶>します。
ハルジオン
む~……
アイシャ
へえ、<概念>も模倣しているのか。
大したものだね。
ケンセイ
感心してる場合かよ。
弱点はねえのか?
アイシャ
全方位からの攻撃を同時に防げるわけじゃない。
連携して死角を突かれると困る。
ハルジオン
じゃあ私、前から撃つね~♪
セレナ
側面は任せて!
フーシャ
援護する!
テネブル
拒絶>……
ハルジオン
だ~め♡
セレナ
なんで後ろ回ってるのよ!?
ハルジオン
ごめんね~。
私、嘘つきだから。
ばいば~い♡
テネブル
……<拒絶>します。
アイシャ
なに……?<概念>の多重起動じゃない。
空間を媒介にしたのか……?
テネブル
……私は<怪物>。
万象を<拒絶>し得る力。
いかなるモノとの繋がりを拒み、咲く様も散る様も見られぬ存在。
暗き夜に開いた花のように、咲く様を愛でられず、散る様を惜しまれず、ただ在って消えるだけの徒花(あだばな)。
ハルジオン
在って……消えるだけ……
テネブル
羨ましいでしょう。
其方(そなた)にとっては。
ハルジオン
そんなこと、ない……!
アイシャ
勝手に人の力と過去を売り込まないでほしいね!
ルキス
模倣能力起動(エミュレート)。
OPEN RAID>――
アイシャ
(振り抜いたはずの剣が姿勢ごと元に戻っている……!?)
ルキス
『起きた事象を斬り裂く力』。
因果を斬り裂き、<なかったこと>にする能力。
アイシャ
……厄介だね。
模倣とはいえ、かなりの精度だ。
(能力の発動そのものを<拒絶>すれば攻略可能か?だが、そもそもこの試練は能力を攻略するものではない……)
ルキス
もしも、因果の連環(れんかん)を斬り裂き問題そのものを消してしまえたら。
そう思うことはないか。
アイシャ
…………
ルキス
間断(かんだん)なく押し寄せる問い。
それに答え続けるとは、すなわち後手であり続けること。
宿りし力もまた、因果の切断にまでは至らない。
悲劇は悲劇。
喜劇は喜劇。
客席からどう評しても覆らぬ。
アイシャ
だが、その力もまた、過去のすべてを<なかったこと>にできるわけじゃないだろう?
ルキス
ならば微塵(みじん)も求めぬと?
アイシャ
(……否定するのは簡単だ。
空論(くうろん)、あるいは戯言(ざれごと)と一蹴して攻略に集中すればいい。
だが……)
ハルジオン
私、ハニーとダーリンがいるからとっても満足してるんだけどな~?
アイシャ
(完全なウソではない。
私も本心を偽っていない。
だが、何かを見落としている……)
ルキス
む……
ケンセイ
迷っているのか。
アイシャ
……ああ。
恥ずかしながらね。
答えが出なくて悩ましいよ。
ケンセイ
迷わねえ人間なんざ、ただ薄っぺらいだけだ。
お前たちのことはよく知らないが、たった一つの道理だけで進み続けるのは無理だろうさ。
ハルジオン
王様でも迷ったりするの?
ケンセイ
ああ、いつだって迷いながら答えをだしてきた。
不安だから前だけ見て突き進んだ。
セレナ
ケンセイ……
ケンセイ
迷いがないから強いんじゃねえ。
後悔しないから進めるんじゃねえ。
完全じゃないから、少しでも先を目指して進めるんだ。
お前らはまだ生きてるだろ。
だから悩み続けることができる。
そうやって一歩ずつ前に進むんだ。
アイシャ
悩み続けることができる……か。
そうだね、私はそういう存在だ。
ゆえに解を求め続ける。
それがたとえ果てのない連環(れんかん)でも、この手を延ばし続ける。
君はどうだい、ハルジオン。
過去を<拒絶>して消し去りたい。
それだけが君の<想い>かな?
ハルジオン
……うん、そうだね。
汚い過去も、変われない自分も、ぜんぶ消えてなくなればいい。
どれだけみんなが私を好きでいてくれてもその<想い>は消えないんだよ。
フーシャ
ハル……
ハルジオン
でもね、世界が全部消えたときに思ったんだ。
綺麗で大切なものの方が、簡単になくなっちゃうんだ~って。
過去の私は変えられない。
けれど……大事な人たちの明日は守れるかなって思うんだ~。
な~んてね。
私、そんなにいい子じゃないんだけど♡
アイシャ
ふふ、そうかい。
それは奇遇(きぐう)だね。
私も仕事柄、言葉を偽るのが得意でね。
ハルジオン
ふ~ん。
じゃあ嘘つき同士、仲よくしよ♡
ルキス
汝を我が依代(よりしろ)として選んだのは、<長き夜の冷たさを知り、それでも明日を求める者>ゆえ。
テネブル
其方(そなた)を私の依代(よりしろ)として選んだのは、<光なき夜に在りながら答えを探し続ける者>ゆえ。
テネブル&ルキス
いまこそ汝に我が力を託そう。
いまこそ其方(そなた)に私の力を託します。
ケンセイ
乗り越えた、か。
……俺のやることは最初から決まってる。
そうだろ?
ベスパ
…………
キャトラ
おつかれー。
なんか変わった?
ハルジオン
触って確かめて~♡
キャトラ
ぎにゃー! やぶへび!!
ジュダ
どうなんだ、アイシャ。
アイシャ
ああ。
さっきまでよりずっと力に満ちている感覚だ。
だから……わかることがある。
……ケンセイ、やはり君は……
…………
ケンセイ
いい、俺から言う。
どの道、避けては通れねえ。
……俺はいずれ消える。
そう長くは、いられない。

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