【剧情】露榭(温泉)的回忆
回忆六
ルウシェ:今回学んだことを、まっすぐに伝えればいい……?
ルウシェ:……ありがとうございます!いってきます!
夜分遅く失礼いたします、騎士様。
アシュレイ:……ルウシェか。どうした?
丁寧な所作で襖を開け、ルウシェは小さく一礼した。
アシュレイ:様になっているじゃないか。
ルウシェ:ありがとうございます。
ルウシェ:ところで当旅館の温泉はもう、お楽しみになられましたか?
アシュレイ:いや、入っていないが……
アシュレイ:……どうした。仲居の仕事はもう終わりだろう?
ルウシェ:明日になるまでは仲居さんですよ。今の時間帯でしたら、温泉がほとんど貸し切りなんです。
ルウシェ:ここは砂風呂だけではなく、露天風呂も素晴らしいですから。ぜひご堪能ください。
アシュレイ:いや、いい。慣れない土地で無防備になるのは落ち着かん。
ルウシェ:ご安心ください。私がちゃんと外で見張りますから♪
アシュレイ:気を遣わなくていい。お前ももう、部屋に戻って――
ルウシェ:……騎士様が、私のことを大事に考えてくれるのは、とても嬉しいです。
ルウシェ:だからこそ、自分を大事にしない騎士様の姿を見るのは、とても辛いです……
ルウシェ:たまにはゆっくりと心身を癒やし、心安らいでほしいと願うことは、私のわがままでしょうか?
アシュレイ:……しかしな。
ルウシェ:騎士様……
アシュレイ:…………わかった。だが、見張りはいらん。逆に落ち着かない。
ルウシェ:はい!どうぞ、ごゆっくり!
アシュレイ:(いい湯だった……露天風呂など久々だったな)
入浴を終えたアシュレイが部屋に戻ると、布団が敷き直されていた。
アシュレイ:(……まったく、自分も疲れているだろうに)
ルウシェ:失礼いたします、騎士様。
アシュレイ:! まだ起きていたのか。
ルウシェ:さあ、横になってください。入浴後に効くマッサージを、トワさんに教えていただいたんですよ♪
ルウシェ:んしょ、んしょ……気持ちいいですか?
……ああ。他人に体を預けたのは……本当に、久々だ。
だが、お前はもっと食べろ。体が軽すぎる。
ルウシェ:そういう意地の悪いことを言う人には……こうです!
ぐぉっ!?
ルウシェ:痛いぶん、疲れがとれるツボらしいですよ。
本当だろうな……?
ルウシェ:ふふ、どうなのでしょうね。
ルウシェ:……騎士様。今回は私のお願いを聞いてくれて、ありがとうございました。
アシュレイ:礼を言われることじゃない。
ルウシェ:いいえ。おかげで大切なことを、学びました。
ルウシェ:優しさとは、真心なのだと。
アシュレイ:…………
ルウシェ:どうか、そのまま楽に……今夜は安心してお休みください。
ルウシェ:たとえ何があっても、私が騎士様を守りますから。
アシュレイ:お前が俺を守る、か……
アシュレイ:……正直なところ、お前が旅館を手伝うと言い出した時、俺は不安を覚えた。
アシュレイ:他人に優しすぎるお前が、多くの他人に囲まれて働くことに。
ルウシェ:……はい。
アシュレイ:だがお前は、仕事を通して自分の優しさに芯を通したらしい。
アシュレイ:……よくがんばったな、ルウシェ。
ルウシェ:――はいっ。
ルウシェ:私、この島でのことを忘れません。
ルウシェ:ですから、騎士様も――
アシュレイ:……すぅ……
ルウシェ:……眠ってしまわれたんですか?ふふ……子どものような寝顔……
ルウシェ:おやすみなさい。これからも、この広い世界を私と共に歩んでくださいね。